谷戸の表情はどこも似たような景色だけど、
入り口が狭くとも、長く奥へと続く谷戸や
二股三股に分かれる谷戸。
丘陵に上がると、平らな台地が広がっていたり、
馬の背のようにそれほど広くなく、
すぐ次の谷戸に下ったりする。
薄暗く急な湿った坂を降りて、
谷戸の底を歩いて、また昇ってを繰り返すと、
どこを歩いているのか方向感覚がくるってしまって、
また、元の場所に戻ってしまうような複雑な地形が面白い。
一つ一つの小さな谷戸にも名前があって、
土地の特徴や歴史があるはず。
谷戸の入り口に建立されている石仏に、
さっき通ったお宅の標識と同じ苗字が刻まれているものね。