1945年3月10日未明、東京の下町が焼け野原に化しました。
当時、祖父は、父や叔母を残して、消火活動に自宅へ戻り、そのまま戻ることはありませんでした。探し回った父は沢山の焼死体を見たそうです。
父の兄も、数日後、硫黄島で戦死しました。自宅も焼失し、母(祖母)と二人の姉と、弟(疎開中)、妹が残されました。
15歳の父や叔母伯父も戦後をそれぞれ平凡に生き天寿を全うしていきました。生きていいて、今のニュースを見て何と言うだろうか。父や祖母、叔母(妹)が眠る祖父がたてたお墓を掃除をしながら、いろいろ考えてしました。
自身がたてたお墓に眠ることが出来なかった祖父や遺骨が戻らない伯父(兄)の霊は、まだ、彷徨っているのではないかとも思いました。
日本は、無条件降伏後、『国』は何とか残りました。そのおかげで、一家は、多少のぎくしゃくが有っても、平和な暮らしを享受することが出来ました。
国家があれば、自身の行く末を自身が決定することも可能です。だけど、今、それ(主権国家)を奪う戦争が起きている事態について、このことをどのように収めることができるのか。今後同じようなことが起きないようにするにはどうしたらいいのか。その問いに対する最適解を示すことができるのか。そして実現できるのか。それとも、第二次世界大戦が起きる前の時代に戻ってしまうのか。
あの世に旅立った祖父や伯父から試されているような気がします。